阿部万里英さん〈2009年卒業〉
〈2009年卒業〉
所在地:オランダ・アムステルフェーンに在住
今現在のお仕事:ライター、イベントオーガナイザー、SNSマーケター
今の仕事の内容について教えて下さい
現在、オランダ・アムステルフェーンに拠点を置き、フリーランスとしてライター活動、現地企業のSNSマーケティング、欧州の若者に向けたアニメDJイベント『NAKAMA』の主催・運営を行っています。 もともと「自分のメディアで生計を立てたい」という思いから海外に渡りましたが、当初は思うようにいかず、試行錯誤の連続でした。そこで着目したのがSNSです。以前、雑誌『Cosmopolitan』でSNS運用に関わっていた経験を活かし、飛び込みで案件を獲得しながら独学でスキルを磨いていきました。さらに、メディア運営に不可欠だと考えたイベント企画・運営にも取り組み、現在は「SNS」と「イベント」を軸に活動の幅を広げています。
今の仕事で魅力的なところはどこですか?
ライター・編集者という仕事の魅力は、取材を通じて自分の知らなかった世界を深く知ることができる点にあります。普段は入れない場所に足を踏み入れたり、出会えないような人と対話したりする中で、自分の視野が大きく広がっていく感覚があります。入念な下調べを重ねて記事に仕上げ、「これは多くの人に届けたい」と思える作品が書けたときの達成感は、何にも代えがたいものです。
一方で、海外での生活は決して楽ではありませんでした。「本当の意味で自分の力で生きていく」という経験をしましたが、正直それは想像以上に大変でした。最初は家も見つからず、頼れる人もいない中で、どうにか生き延びることに必死な日々でした。 イベント運営では、たくさんの方に助けていただきながらも、基本的には集客、運営、顧客対応までを一人で担い、「一人でできることの限界」を痛感することもありました。さらに、長く続いた孤独は精神的にも大きな試練でした。しかし、そうした環境だからこそ「失うものは何もない」と思え、大きなリスクを取った挑戦にも踏み出せたと感じています。結果的に、自分の限界を何度も超えることができましたし、今の活動にもつながっています。
学生時代について教えて下さい
高校時代は総合コースで学びながら、バレーボール部の活動と国際交流に力を注いでいました。もともとは第一志望の高校に進学できず、気持ちが沈んだ状態でのスタートでしたが、「留学生受け入れ」の機会に手を挙げたことが転機となります。インドネシアから来た同い年の留学生との出会いをきっかけに、「もっと話したい」という思いが芽生え、本気で英語を学び始めました。
高校生活では、交換留学生の受け入れを7回経験し、自分も3か国への留学を経験しました。ニュージーランドやベトナム、中国での交流、国際フォーラム、文化祭など、数えきれないほどの思い出があります。特に、世界中の留学生と交流した国際フォーラム後のパーティや、カナダでのホームステイは、今でも忘れられない大切な経験です。
高校生活当初は周りに気の合う友達がいないように感じて、孤独を感じることもありましたが、与えられた環境の中で積極的に挑戦を続けたことで、「一生忘れられない時間」へと変わりました。振り返れば、この時期に海外の学生たちと交流し、多様な価値観に触れられたことが、今の自分の基盤になっていると強く感じています。
高校在学中は、英語を独学で学び、卒業後は留学専門の専門学校に1年、さらにカナダ留学を経て英語を話せるようになりました。もともと苦手意識があった科目でしたが、学び続けるうちに楽しさを感じるようになり、自分の世界が広がっていく実感を得ました。
これから目指したいことを教えて下さい。
今後の目標は、自分のメディアを通して世界に良い影響を与えられる存在になることです。
具体的には、誰もが自分の好きなことや個性、やりたいことを理解し、それぞれに合った環境で輝ける「適材適所な社会」を実現したいと考えています。ただ、人は実際に出会ってみないと、自分に合うものや本当にやりたいことに気づけないことも多いと感じています。だからこそ、さまざまな人や価値観、仕事と出会える“きっかけ”をつくることが、自分の役割だと思っています。
そのために、メディアだけでなく、イベントやコミュニティも通して、人と人、人と価値観がつながる場をつくり続けていきたいです。
最後に盛岡中央高等学校の在校生へメッセージをお願いします。
盛岡中央高校はとてもユニークな高校だと思います。実際に大人になってから振り返ると、高校生のうちからさまざまな国の価値観に触れられた経験は、今でも大きな財産になっています。自分は全然英語が喋れない状態で留学生を受け入れましたが、その時の焦りと申し訳なさから、英語を本気で勉強しようと思えました。だからみなさんも、もし少しでも興味のあることがあれば、自信がなくてもぜひ挑戦してみてほしいです。思うようにいかなくて悔しく感じた経験も、あとから振り返ると必ず意味のあるものになります。
私は、英語を話せるようになったおかげで、さまざまな国や背景を持つ人たちと出会い、自分の世界を広げることができました。
私自身の高校生活は、決して順風満帆なスタートではありませんでしたが、盛岡中央高校でさまざまな挑戦をさせてもらえたことで、一生忘れられない最高の時間になりました。みなさんも、興味があることに出逢えたら、不安があってもぜひチャレンジして、高校生活を思う存分楽しんでください!
雑誌、『RINEN』について
2025年、オランダのKings Dayをきっかけに、雑誌『RINEN』を創刊しました。
ストリートスナップを通じて出会った女性たちの中から、特に魅力を感じた方々に声をかけ、ファッションだけでなく、その人が大切にしている考え方や生き方について取材・翻訳しています。
「人の話を聞きながら自分の輪郭を磨く」というコンセプトのもと、スタイルと思想の両面を記録する、新しい形のファッション雑誌を目指しています。
現在は小規模ながら、すでに50名以上の方に購入していただきました。今後はSNSの発信にも力を入れつつ、RINENを多言語で展開し、世界中の人々の価値観に触れられる媒体へと育てていくことが目標です。